無期限の休止をお知らせします。

本日をもちまして、無期限の休止をいたします。 今まで、ご愛読された方々や応援してくださった方々には心より感謝いたします。 なお、カイアシ類を取り上げた記事は以下のサイトにて、引き続き執筆していきますので、合わせて宜しくお願いします。 CopeGia…

カイアシ類の視力は、どのくらいあるのか。-魚を視認して逃げるカイアシ類-

カイアシ類は1mm程度の主に海洋を浮遊するプランクトンである。どうやらカイアシ類は周りの状況を眼で視認しているかもしれないというのだ。通常、カイアシ類ぐらいの大きさになると、眼に映像を写しだして脳で読み取る要になる網膜のサイズが限られてくるた…

河川の生態系を支持する「河床間隙水域(hyporheic zone)」とは -間隙生態系とその多様性-

河川という環境は河川水と河床成分によって変動するものと捉えられてきているが、河川水が浸透されている河床間隙水域(hyporheic zone)が重要は働きがあると近年分かってきている。また、河床間隙水域中には表流水と比べ物にならない多様性があり、河床間…

ガン治療で注目されている褐藻類フコイダンについて-生理学的特性-

生き物は生きているうちは腐らないが、死ぬとやがて腐ってしまう。当たり前ではあるが、なぜ生きているうちは腐らないのか少し考えてみよう。腐るおおもとの原因は菌や細菌である。これらが体内に侵入し、体を構成する筋肉や臓器、タンパク質や糖類を分解す…

カイアシ類の脂質が生態系を地球を救う

体脂肪は60%以上にもおよび生物ではありえない比率になる。言ってしまえば、脂肪の塊になる。この脂質のおかげで、魚類などの捕食者へ多くのエネルギーを受け渡すことが可能で、イワシやサンマなどの溢れ出るほどの脂はカイアシ類由来とされている。さらに…

高尾山から海洋プランクトンを発見 土壌生活へ進化したカイアシ類

カイアシ類とは簡単に言うと、海洋プランクトンとして生活しているものが多く、甲殻類に属し、海洋生態系の要になっている微小動物である(2014年10月2日の記事を参照)。カイアシ類についての文献を読み進めていると興味深いものがあった。 土壌動物学―分類…

陸上に棲むカイアシ類 陸生ソコミジンコ

皇居(東京都心)で、落葉に被された土壌中からカイアシ類が発見された例がある(菊池 2001)。発見されたのは3種で、P.viguieri、E.richardi、M.varicaである。これらは人の手が加えられていない里山に生息する種で、皇居の土壌は里山に近い環境であること…

強酸アミジグサに生活する葉上性カイアシ類

カイアシ類は海洋プランクトンの中で1番多い生物量(バイオマス)を誇り、多様性に富んだ微小動物で13,000種におよぶとされている(カイアシ類については2014年10月2日の記事を参照されたい)。そのうち30%程度が寄生種といわれ、魚類や無脊椎動物、植物に…

カイアシ類によるワカメ養殖への被害

ワカメは年中あるというわけではなく、水温が上がる夏になると消長が見られる。このとき、ワカメに寄生するカイアシ類はどのように生き延びているのかは疑問であった。しかし、西洞ら(2003)による、ワカメに寄生するカイアシ類、Amenophia orientalis(タ…

「アミダコ」イカ・タコ類でみられない生活、サルパに住むタコ

サルパ内に住んでいるアミダコはOkutani(1986)が発見し、報告をしている。雄は大型サルパのTethys vaginaの腔内に住んでいるところを確認し(図2)、他には雌の未成熟も住んでいると考えられる。しかし、雌にいたっては詳細な観察はされておらず、形態的に…

唯一セルロースを合成できる透明な動物「サルパ」

被嚢には被嚢細胞と呼ばれる細胞をもつ(Hirose, E. 1999)。体表外に細胞があるのは発生的に不思議であるが、生態学的に血球に類似しており、出血による体外へ血液の流出に由来していると考えられている。 被嚢はただ保護としてあるとされていたが、多様な…

虹色に輝くプランクトン、サフィリナ カイアシ類(Sapphirina Copepoda)

サフィリナ(Sapphirina)はカイアシ亜綱、ポエキロストム目、サフィリナ科、サフィリナ属に属する種をいい、日本には13種存在する。体長は1.0~9.0mmとカイアシ類としては大型種で、体形が扁平で薄く、透かせることができる。また、発達したレンズをもつ1対…

他にないハエトリグモの特殊な視覚機構-ピンぼけ奥行き知覚-

T.Nagata (2012) らはハエトリグモの前中眼の網膜が4層構造であることに注目した(ふつうは1層構造)。これらの層における視物質は異なり、吸光する光の波長は、1層(深部)から緑色、緑色、紫外線、紫外線と分かった。また、ハエトリグモの眼レンズは色収差…

眠るクマムシ類の生態

クマムシ(Tardigrada)は体長0.1~0.5mm程度の大きさで、体表面はクラチラ層でおおわれ、5体節に分かれている。4690mの海底から6600mの高山まで広く分布する。陸生種でも水の皮膜をまとう必要があるため、本質的には水生生物である。海棲種もおり、フジツボ…

ウミホタルに寄生するウミホタルガクレの珍しい生活史

ウミホタルは馴染みある生物だと思われるが、生態についてはよく分かっていない。最近になり、地域依存的な分布があると判明した。つまり、地域ごとに形態的差がある隔離された集落が形成しているということである。これには地域ごとに異なる発光パターン等…

命綱一本で生活する寄生虫カリグス(カイアシ類)

カリグスは海産魚類や淡水産魚類の鰓や体表につくカイアシ類で、寄生虫として世界的によく知られている。日本では1927年にはじめて報告された。この年は、日本ではじめて養殖業がおこなわれた年でもある。カリグスは魚類に寄生すると、魚類の血や粘液、上皮…

眠るプランクトン、300年から目覚めたコペポーダのしくみ

一見、ただ油をたくわえて深海に潜って休眠しているだけのように見えて、海洋環境ないし大気環境において重要視される行動である。植物プランクトンは海洋中の二酸化炭素または、大気から海洋へ溶け込んだ二酸化炭素を光合成によって同化する。これによって…

光の炸裂弾を放つ動物プランクトン(コペポーダ)

1000m深海に棲むコペポーダのうち、20~30%が発光すると推測されている。発光するメカニズムは全発光性生物で共通している、ルシフェリン-ルシフェラーゼ反応と呼ばれるものである。これは発光するために基質となるルシフェリン(総称)をルシフェラーゼ…

独自の形態をもつ寄生性カイアシ類(ホタテエラカザリ)

もはや、肉塊である。コペポーダという形態からかけ離れている。1970年代発見当初、コペポーダだとは考えられず、フクロムシの一種だと勘違いされていた。しかし、現在も、コペポーダのどの目、どの科、どの属になるかは詳細な議論はされていない。というの…

秒速2mの動物プランクトン!海面を跳ねるコペポーダ

ポンテラは頭部に微細な毛をたくさん持ち、これを水面の表面張力により付着し、水面下を懸垂した状態になることが多い。これにより、エネルギーの温存を可能にし、摂餌するときに餌の多い表層でバクバクと貪り食う。なんとも、ぐうたら者のような感じである…

近年注目されている食物連鎖ともうひとつの存在「Microbial loop」

Microbial loopは近年に、その存在が明らかになり、トレンドの分野でもある。和名では「微生物環」や「微生物ループ」とも言われる。他の言い方には、Microbial loopと”一般的な”食物連鎖と関連付けて「微生物食物連鎖」とも言われることもある(この場合、”…

精巧な採餌機能をもつプランクトン尾虫類

尾虫類と言われてもコペポーダに並んで知名度が低い生き物であるため聞いたことがないかもしれない。しかし、生態系では重要な位置にあり、バクテリア等のピコプランクトン(数ピコメートルのプランクトン)の有機物を魚類へ伝達する要であると考えられてい…

ヘビの牙をもつコペポーダ(プランクトン)

ヘビの牙を持つHeterorhabdusはHeterorhabdidae(ヘテロラブドゥス科)に属し、この科では深海性が一般である。また、粒子食から肉食へ食性変化が起きた。これにより口器および摂食に関与する付属肢の構造が変形し、肉食に適した形態になった。この科の中で…

アリが棲む植物「アリ植物」としての「フクロカヅラ」

植物によっては植物体内部に空洞を持つものがあり、その空洞を貯水として利用したり、空洞を作ることで早く成長するなどと利用方法はある。その中でアリを共生させる植物もある。この植物は「アリ植物」と呼び、シダ植物や裸子植物、被子植物の100属で超える…

ミドリムシ(ユーグレナ)もともとは紅色だった[ミドリムシの進化]

最近では、ミドリムシでできたミドリムシクッキー、ミドリムシサプリメントで世間一般的に知られてきているミドリムシ。ミドリムシは、その名の通り、体の中にある葉緑体によって緑色をしており、プランクトンとして生息している。ゆえにミドリムシは植物プ…

青いダンゴムシ

ダンゴムシの中で青く鮮やかなものが見つかることがある。なぜ、青くなるのかは分かっていないが、イリドウイルスというウイルスに感染すると青くなることが分かっている。さらに、普通のダンゴムシは日陰に隠れる習性があるが、青いダンゴムシは日向を好ん…

口、肛門、消化器官もない動物「ハオリムシ」

ハオリムシは水深100m以深の熱水噴出孔付近海底に生息する環形動物(ミミズ、ゴカイなど)に分類される。しかし、どのように環形動物系統内で進化してきたのか不明であるため、独立して有髭(ゆうしゅ)動物ともいわれる。最近になり、幼生期は環形動物に特…

「卵を1日2個以上食べていけない」は嘘

「卵は1日に2個以上食べていけない」という決まりは世間一般に言われている。それは、高コレステロールによる病が発症すると恐れられてるからだ。だがもし、2個以上食べたらどうなるのか?2個以上食べる人は少なからずいると思うが、その人が実際に体に…

光合成によって食べず生きるウミウシ

ウミウシは軟体動物であり、タコやイカに近縁な生物である。色彩が豊かな体色や擬態するために目立たない体色の種、様々で体長も数mm~数十cmまである。最近ではダイバーに人気であり、テレビでも度々紹介される。 (ナショナルジオグラフィックよりウミウシ…

世界唯一の寄生虫博物館「目黒寄生虫館」

寄生虫(以下、寄生生物)はおおまかに分ける生活圏(ここでは相互関係または種間関係のことで相利共生、片利共生、寄生、片害作用などがある)の寄生にあたる。寄生の場合、互いの関係を「寄生」と寄生される方の「宿主」に分けられる。寄生生物は宿主から…

コペポーダに関しては調査研究をしているので対応できます。お問い合わせは以下のメールアドレスにお願いします。
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