coccoli’s blog

理科とくに生物に関する記事を書いてます。

身近の食べ物を使って発光の実験

以前に実験した内容を紹介しようと思う。それは、「『スルメイカ』を使った発光細菌の培養」である。

はじめに諸注意を申し上げる。「くさい」である。実験後1周間は臭さに辛抱してもらうことになる。また、トラウマになって当分はイカを見たくなくなるかもしれない。私がそれだった。

 

スルメイカ体表に付着する発光細菌

 まずは、スルメイカに付着する発光細菌について述べようと思う。スルメイカに付着する代表的な発光細菌は、VibrioとPhotobacterium属に属する一部の細菌である。その中で特にV. fischeriやP. phosphoreum、P. leiognathiaがよく知られている。種ごとに発光する色は異なっており、発光色から種を割り当てることができる。

f:id:coccoli:20141026230155j:plain(左:Photobacterium sp 右:Vibrio fischeri 参考文献より

 実は細菌が上の水色や橙色に発光しているのではない。これらの色に見えるのは発光している物質の周りにあるタンパク質が細菌が放つ光を吸収して光っているのである。実際は青緑色である。この発光色を変えているタンパク質は蛍光タンパク質であり、もとの発光をするものはルシフェラーゼ(特に細菌はバクテリアルシフェラーゼ)といわれるものである。蛍光ペンは色鮮やかであり、ブラックライトを当てるとあたかも光っているように見える。これは蛍光タンパク質と同じで、光を吸収して他の色へ変換しているからである。

 

スルメイカを使った発光細菌の培養実験

 それでは、私が行った実験を紹介する。なお、スルメイカは近くのスーパーで購入したものを使った。

 

[試料・材料・用具]

 スルメイカ Todarodes Pacificus

 食塩

 まな板

 はさみ

 密封容器

 クーラーボックス

 ガスコンロ

 鍋

 

[方法]

 スルメイカをまな板の上に置き、外套膜を切り取った。この外套膜を約5cm角に切り分けて密封容器に移した。この操作中は外套膜に触れないようにおこなった。

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腕とヒレを切り取り、1Lの3%食塩水が入った鍋に入れてガスコンロで十分沸騰させた。沸騰後室温になるまで冷却して、外套膜が入った密封容器に外套膜が浸かるぐらいまで入れた。この操作は、外套膜に直接注がないようにおこなった。これをクーラーボックスに入れて14℃になるようにして24時間培養した。

 

[結果および考察]

 培養容器8個中4個にコロニーを確認した。いずれも水色に発光しており、Photobacterium属と考えられる。

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終わりに

以前に十分な設備下でスルメイカに付着している発光細菌の培養を行ったことがあるが、そのときの結果は以下の写真のようだった。

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 自宅で行った実験と比べ物にならないほど培養に成功している。今回、自宅で行った問題点は、スルメイカをまな板に直に置いてしまったこと。培地内の栄養が少なかった。スーパーにて加工されていることがあげられる。

 

 

 

参考

佐藤雄一,2010,『発光バクテリアにおける発光特性の解析ならびに発光変調を引き起こす蛍光タンパク質LumPの構造生物学的解析 』,東京農工大学(pdf)

小林孝次,2011,『研究結果報告書』23年度長野県屋代高等学校(pdf)

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