2016-01-01から1年間の記事一覧

カイアシ類の脂質が生態系を地球を救う

体脂肪は60%以上にもおよび生物ではありえない比率になる。言ってしまえば、脂肪の塊になる。この脂質のおかげで、魚類などの捕食者へ多くのエネルギーを受け渡すことが可能で、イワシやサンマなどの溢れ出るほどの脂はカイアシ類由来とされている。さらに…

高尾山から海洋プランクトンを発見 土壌生活へ進化したカイアシ類

カイアシ類とは簡単に言うと、海洋プランクトンとして生活しているものが多く、甲殻類に属し、海洋生態系の要になっている微小動物である(2014年10月2日の記事を参照)。カイアシ類についての文献を読み進めていると興味深いものがあった。 土壌動物学―分類…

陸上に棲むカイアシ類 陸生ソコミジンコ

皇居(東京都心)で、落葉に被された土壌中からカイアシ類が発見された例がある(菊池 2001)。発見されたのは3種で、P.viguieri、E.richardi、M.varicaである。これらは人の手が加えられていない里山に生息する種で、皇居の土壌は里山に近い環境であること…

強酸アミジグサに生活する葉上性カイアシ類

カイアシ類は海洋プランクトンの中で1番多い生物量(バイオマス)を誇り、多様性に富んだ微小動物で13,000種におよぶとされている(カイアシ類については2014年10月2日の記事を参照されたい)。そのうち30%程度が寄生種といわれ、魚類や無脊椎動物、植物に…

カイアシ類によるワカメ養殖への被害

ワカメは年中あるというわけではなく、水温が上がる夏になると消長が見られる。このとき、ワカメに寄生するカイアシ類はどのように生き延びているのかは疑問であった。しかし、西洞ら(2003)による、ワカメに寄生するカイアシ類、Amenophia orientalis(タ…

「アミダコ」イカ・タコ類でみられない生活、サルパに住むタコ

サルパ内に住んでいるアミダコはOkutani(1986)が発見し、報告をしている。雄は大型サルパのTethys vaginaの腔内に住んでいるところを確認し(図2)、他には雌の未成熟も住んでいると考えられる。しかし、雌にいたっては詳細な観察はされておらず、形態的に…

唯一セルロースを合成できる透明な動物「サルパ」

被嚢には被嚢細胞と呼ばれる細胞をもつ(Hirose, E. 1999)。体表外に細胞があるのは発生的に不思議であるが、生態学的に血球に類似しており、出血による体外へ血液の流出に由来していると考えられている。 被嚢はただ保護としてあるとされていたが、多様な…

虹色に輝くプランクトン、サフィリナ カイアシ類(Sapphirina Copepoda)

サフィリナ(Sapphirina)はカイアシ亜綱、ポエキロストム目、サフィリナ科、サフィリナ属に属する種をいい、日本には13種存在する。体長は1.0~9.0mmとカイアシ類としては大型種で、体形が扁平で薄く、透かせることができる。また、発達したレンズをもつ1対…

他にないハエトリグモの特殊な視覚機構-ピンぼけ奥行き知覚-

T.Nagata (2012) らはハエトリグモの前中眼の網膜が4層構造であることに注目した(ふつうは1層構造)。これらの層における視物質は異なり、吸光する光の波長は、1層(深部)から緑色、緑色、紫外線、紫外線と分かった。また、ハエトリグモの眼レンズは色収差…

眠るクマムシ類の生態

クマムシ(Tardigrada)は体長0.1~0.5mm程度の大きさで、体表面はクラチラ層でおおわれ、5体節に分かれている。4690mの海底から6600mの高山まで広く分布する。陸生種でも水の皮膜をまとう必要があるため、本質的には水生生物である。海棲種もおり、フジツボ…

ウミホタルに寄生するウミホタルガクレの珍しい生活史

ウミホタルは馴染みある生物だと思われるが、生態についてはよく分かっていない。最近になり、地域依存的な分布があると判明した。つまり、地域ごとに形態的差がある隔離された集落が形成しているということである。これには地域ごとに異なる発光パターン等…

命綱一本で生活する寄生虫カリグス(カイアシ類)

カリグスは海産魚類や淡水産魚類の鰓や体表につくカイアシ類で、寄生虫として世界的によく知られている。日本では1927年にはじめて報告された。この年は、日本ではじめて養殖業がおこなわれた年でもある。カリグスは魚類に寄生すると、魚類の血や粘液、上皮…

コペポーダに関しては調査研究をしているので対応できます。お問い合わせは以下のメールアドレスにお願いします。
  " cuacabaik0509(/atm.)gmail.com "  件名には「coccoli's blog お問い合わせ」と記入