coccoli’s blog

理科とくに生物に関する記事を書いてます。

「コペポーダ」海洋で最も繁栄しているプランクトン(その1)

「コペポーダ」と聞かれて何なのか知っている人は少ないと思う。しかし、地球上の生態系において重要な存在である。そう、重要な存在でありながら我々はその存在に気がつかず生活をしているのだ。なぜ、こうも知名度がないのか。その理由はただひとつ。人に対して直接的な利益がないからだ。さらにコペポーダの中には魚類に寄生する種もあり、漁業の人たちからは害虫として扱われることがしばしばある。

そこで私は、コペポーダの素晴らしさを紹介し、すこしでも知名度を上げたいと思い、綴った次第である。

 

コペポーダは別名、「カイアシ類」ともいわれ、コペポーダのうち数種は「ケンミジンコ」や「ヒゲナガミジンコ」と呼ばれることがある。この呼び名は多少知っている人はいるのではないかと思う。大きさは0.2mm~10mmであり、顕微鏡を使って見ることができるサイズである。驚くところは海洋の表層部分のみに生息しているのではなく、深さ10,000mの深海のほか、標高5,000mの陸水、58℃の温泉にもいる。これは動物の中で最も広範囲で生息していることになる。

 

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(上の写真は、私が撮影したコペポーダ。)

コペポーダは写真のような形態であるが、ウミホタルに近縁な動物である。分類上、節足動物門、顎脚綱、カイアシ亜綱に属するものをコペポーダと呼ぶ。目は11つあり、分類学的に大きなグループである。

 

話は変わるが、サンマは日本人にとても好まれて食べられている。秋といえばサンマ。漢字で「秋刀魚」と書くとおり、秋を代表とする魚である。実は秋以外にもサンマを食べることはできる。ではなぜ、秋の食卓しかサンマは出てこないのか。それは、秋以外のサンマには脂身が全くないからである。脂身がないととても食べれるものではない。

そこで疑問。脂身はどこから来たのか。どのようにサンマは脂身を得たのか。ここまで来ると答えを予想できるのではないかと思う。

そう、答えはコペポーダである。

夏になるとコペポーダは多くのプランクトンを摂餌し、得たエネルギーを油球(ゆきゅう:Oil sac)として体内に貯蔵する仕組みがある。これはサンマにとって好適な餌であり、好んで摂餌する。そして、サンマには脂身がつくという訳なのである。

もしコペポーダがいなかったら?サンマは食卓に顔を出さなかったのかもしれない。

今回はサンマをあげて紹介したが、サンマだけではない。イワシやサケ、ブリ、マグロなどにも摂餌されている。また、シラスの腹が赤いのはコペポーダである。

コペポーダはこれら魚類に食べられるだけの存在ではない。コペポーダは植物プランクトンを食べ魚類などの動物に食われる。これは、植物のエネルギーを動物に変換するという食物連鎖上、重要な位置である。よってコペポーダは人間の食資源を支えていると言っても過言ではない。

 

二酸化炭素を海底に閉じ込める。と聞くと意味がわからないのかもしれない。化石燃料の主成分は炭素である。これは二酸化炭素に由来している。つまり、二酸化炭素を海底に閉じ込めることは重要な事だとお分かりだろう。

今までは、動物の死骸や糞、脱皮殻などの粒子によって二酸化炭素が海底へ沈み込んでいると世界中の海洋科学者に認識されていた。しかし、最近の研究によってコペポーダが大きく関わってきていると分かったのだ。これは、先ほど言ったとおり、コペポーダは多くのプランクトンを摂餌し、得たエネルギーを油球として体内に貯蔵する仕組みがある。(油球とは化石燃料と同様、主成分は炭素であり二酸化炭素に由来している。)そして、油球を形成後に死んだものは当然ながら海底へ沈む。この際に海底には油が沈んでいると同じことであり、堆積を繰り返していくことで大量の二酸化炭素を閉じ込めていることになるのだ。

我々が日常的に使用している化石燃料。もしかしたら、コペポーダから成ったものなのかもしれない。

 

どうだろうか。コペポーダの重要さを分かってもらえただろうか。コペポーダという生き物が存在するということ。コペポーダは食物連鎖上で重要な位置にあるということ。コペポーダは我々人間の生活に影響されていること。これを知ってもらい、コペポーダに興味がわいてもらえると私は幸いである。こうして多くの人にコペポーダを知ってもらい、知名度が上がることを祈ってる。

  

 

参考

小針統 鹿児島大学水産学部資源育成科学講座

嶋永元裕 熊本大学沿岸域環境科学教育研究センター市民公開講座

山口篤 北海道大学『親潮域における動物プランクトン研究の最近の進歩』

広島大学生物圏科学研究科瀬戸内圏フィールド科学教育研究センター竹原ステーション(水産実験所) 広島大学デジタル博物館

 

 

 

 

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